窯工研も2021年2月に立ち上げたので、ようやく3年。コロナ禍で廃墟のへんこつを部室にしてスタートし、2022年に能作さんの設計でリノベがなされ、開放的な今の部室になり、またそれも馴染みつつ。毎週月木で朝から夕方まで、ダラダラと部室を開け、そこにふらりと部員がやってきて作陶をしたりおしゃべりしたり、すごくいい空気が流れています。(へんこつを日常的に定点で写真をアップするようになった。)
これまで旅ばかりで、ある意味定住を意味する「場作り」というのを少し避けて通ってきたが、子育て移住とコロナ禍が重なり、直島という場所で「場作り」(の実験)を行うことになったのは本当に偶然だった。元々この島に文化的素養があったことも上手く運ぶ後押しとなったが、やっぱり直島には美大時代「ムサビ窯工研」で一つ後輩で直島で家族で暮らしていたなっちゃんの存在が大きい。美大の敷地の隅っこに立つボロボロの小屋の部室で、個性的な部員たちとのゆるゆるとした日常は青春。そこで授業にも出ずに陶芸に明け暮れ、作った食器で鍋やら飲み会やら。夏の合宿とその後の窯業地巡り。そんな昔の空気が全然別の小さな島の大人たちの中で別の空気感として漂い始めている。これは「作品」と呼べるような新しく大げさな存在ではなく、どこにでもあるような、でもどこにもない、頑張って続けないと手に入らない場所が根付きつつあるように感じる。
(直島窯工研はプロジェクト《瀬戸内「 」資料館》内の研究会として位置づけることで福武財団の所有する環境を利用できている。それは学校の中の部室のようにある意味で守られた環境にある。つまり、こういうことをどこかでやる場合、場所を運営するのだから、社会の中では基本”お客さんからお金を集めるシステム”が必要になるがそれが少ない環境が作れているのも言及しておく。)