声明/statement








 子供の頃、学校の帰り道の山の斜面に貝塚(貝殻の層)があった。それに興味を持ったのは、何千年も前の人々の生活の断片が、地層として目の前に見えている奇妙な感覚だった。人々の生活や自然の累積である目の前に存在する風景や現象は、時に自分の持っている時間や空間の感覚を大きく超えて、繋がって見えることがある。私の興味や制作自体は、自ら何かをつくりだすという感覚よりは、すでに目の前にある世界から何かを見つけたい/発掘したいという感覚に近く、美術大学では絵画を専攻したが、徐々に写真やその他の表現方法を手にするようになった。日常や旅先で疑問や感動を感じ、それに対して自分なりに意味や価値やバランス感覚を発見して、新しく提示したいと思っている。





 2011年、日本の北東部沿岸を地震による大津波と原子力発電所の事故が襲った。私は東京の自宅のテレビでそれを眺めていた。モニターの向こう側から流れる散々たる風景を自分の住む町から数百キロの場所で実際に起こっている現実として知り、自分の中の記憶に刻む為に震災から3ヶ月後のその一体をボランチアをしながら旅をした。ある町は何もかもがすっかりと消え去り、建物や車や家具や道路や様々な残骸は瓦礫として町だった場所の真ん中に高々と積まれていた。私はどうする事もできず、ただただ通り過ぎる事しかできない自分を痛感するほかなかった。
2011年以前、私は自分の中に教育されえた”歴史”や“近代”を疑い、観察と研究と制作(旅と読書と編集)を続けるの中で、自分なりのバランス感覚を開発しながら、歴史と風景と向き合い、問い直すことを制作の柱にしてきた。ただ、被災地での経験から少し変わった。それは“近代批判”をすることよりも、さらに長い時間感覚の中で、目の前の風景から、人間と自然との関係をもう一度考え直しながら、人が日常的に持っているプリミティブな想像性をもう一度“肯定”してみたいという興味の中で制作をはじめた。

2011年以前の主な作品=「戦争のかたち」「Re-fort project」「torii」
2011年以降の主な作品=「bridge」「ははのふた」「漂泊之碑」「津波石」「新しい石器」






............................................................................





『戦争のかたち』『Re-Fort Project』について/「六本木クロッシング2013」森美術館より
talk about [Remnants][Re-Fort Project]/“Roppongi Crossing 2013: OUT OF DOUBT”, Mori Art Museum,




............................................................................





『torii』について/「MOTアニュアル」東京都現代美術館より
talk about [torii]/ “MOT Annual 2012 Mking Situetions, Editing Landscapes”, Museum of Contemporary Art Tokyo




............................................................................