[ 鍰造景 / Slag Landscapes ]


2020-



鉱山の製錬所で銅を精錬する場合に排出される不純物/廃棄物は鍰(からみ)・スラグと呼ばれる。明治以降、近代化が進められる中、銅や金属の需要が高まり鉱業も近代化され製造量を増大させた。その中で銅製錬の業者や地域は、大量に排出される煙と鉱滓(鍰)に悩まされることとなった。
鍰は当初海や山などに流され捨てられていたが、鋳型に流し込み煉瓦を製造する技術が考案され、戦前より鍰煉瓦(からみレンガ)は大量に作られ、建築資材として使われた。戦後、水砕鍰として砂状に加工できるようになると鍰煉瓦は姿を消したが、今でも銅鉱山の集落や製錬所の近辺では鍰煉瓦による風景が残されている。

2020年3月、瀬戸内海に浮かむ直島に移住した。移住してすぐに、島の街並みに部分的に使われている「黒く鈍く光る煉瓦」が気になり調べると鍰煉瓦だった。島の人々に聞くと、島内に戦前より稼働する三菱の製錬所でかつて作られたこと以上には詳しく情報は得られなかった。島民のアンドリュー・マコーミックと岡本雄大と一緒に「直島鍰風景研究室」を作り、日々、鍰煉瓦の風景を見つけるたびに記録しマッピングするようになった。そこで煉瓦だけではなく、直島だけで作られた鍰の瓦やタイルなどの発見をした。1年間、収集した写真や情報を元に、2021年「直島鍰風景地図」を出版。さらに、下道個人は「日本鍰造景資料館」と題して、鍰でできた風景の調査を日本全国へ広げている。
調査では機動性からiphone SE をカメラとして使用し、instagramをプロセスのアウトプットとアーカイブとして展開。最終的に「直島鍰風景研究室」は、「直島鍰風景地図」を最終的な研究発表とする。「日本鍰造景資料館」は《瀬戸内「」資料館》での展覧会として発表し、今後出版物として記録できると嬉しい。






日本鍰造景資料館


日本全国の鍰が作る風景を調査し記録します。鍰/カラミ/スラグは銅を製錬する時に大量に排出される不純物。それらを固めてカラミ煉瓦など建材などに再利用され風景に残された。香川県直島に関する調査は【直島鍰風景研究室】にて。
調査撮影:下道基行/瀬戸内「」資料館


https://www.instagram.com/japanslagscapearchive/


slag001.jpgslag002.jpgslag003.jpgslag004.jpgslag005.jpgslag006.jpgslag008.jpg