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《 その先の眺め 》 服部浩之

皆既日食で薄暗くなった白昼の空に花火を打ち上げ、その風景を眺め、響き渡る音に聴き入ったのは2009年の夏だった。花火は北九州市和布刈(めかり)公園の高台にある砲台跡地から打ち上げられ、我々は関門海峡を挟んだ下関側の戦争遺構跡がある火の山公...

《 Time sharing 》 土方浦歌

-Followed by English translation-  下道基行は、記憶の共有のされ方を問いながら、歴史環境と他者との出会い、そして自らの主観がせめぎあう地点から生まれる痕跡を収集し続ける。大局的な立ち位置を俯瞰しつつ...

《「torii」展によせて 》 後々田寿徳

 下道基行は岡山市で生まれ育った。家の裏山には操山古墳群があり、幼少期にはそれらを探検し、地図などを作ることに熱中したという。同古墳群には古墳時代前〜中期の前方後円墳などがあり、いくつかは石室が露呈していたらしいが、多くの名もなき後期の円...

《torii》 西川美穂子

土方浦歌  下道基行は、すでにそこにありながら私たちに見えていない「かたち」を見せてくれる。日本国内に残された砲台や戦闘機の格納庫などを訪ねた《戦争のかたち》(2001-2005年)では、それらが農家の倉庫として利用されていたり、別...

《 戦争のかたち/ Remnants 》 角奈緒子

–Followed by English translation– 「ある日、無骨で不自然な廃墟」、すなわち、弾痕が無数に残った変電所跡を見つけたことをきっかけに、「トーチカ」「砲台」「掩体壕」などのいわゆる戦争遺構を探す旅に出た下...

《 A面とB面、そしてそれらを結ぶ余白の物語 》 服部浩之

–Followed by English translation–  下道基行は旅するアーティストだ。文字通り各地に滞在し生活するなかで作品を制作する「旅人型」という意味もあるが、それ以上に「旅」に喩えることで、その創作活動は非常に...

《「美しいと言うこと」の自由について/3人展「NOWHERE」》   高橋瑞木

「美しいと言うこと」の自由について 「美しい」ということについて、Mami、下道基行、そしてmamoruの作品を通して考えてみようと思う。なぜなら、私たちは最近アートを見ても「美しい」とは言わなくなっているから。「美しい」の変わりに...

《 bridge 》 飯沢耕太郎

gallery αMで開催されている、3人のキュレーターによる連続企画展「成層圏 Stratosphere」。今回は高橋瑞木のキュレーションで、「風景の再起動」の3回目として下道基行の作品展が開催された。下道は2004年から日本各地に残る...

《 PHOTOGRAPHIC FURNISHINGS 》 Amelia Groom

Following leads from relatives and family friends, photographer Shitamichi Motoyuki traced the whereabouts of all the p...

《 物語となった記憶 / Memories transformed into stories 》 竹久侑

–Followed by English translation–  考古学者になりたかった下道少年は、カメラをもったアーティストになった。だが、感心を寄せる対象は少年時代とそれほど変わっていないとみえる。下道基行は、特有の歴史や記...
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