プール日和(1と2)

「あれ?下道くん、焼けてない?」
今日朝、お隣に滞在中のコスゲさんグループ宅をお邪魔するとそんなことを言われる。
「ふっ、そう、昨日、ひとりで、近所のすごくレトロな市民プールに行って、2時間ほどプカプカ水に浮いていたんです。」
(えっ、こんな忙しい時期に…と思ったに違いない…)


子供がパラパラしかいない平日の昼間に、屋外市民プールに行ったんです。ひとりで。

仰向けに水に浮かぶと、聞こえる音は水の音だけで、視界には青空に夏の雲がゆっくり動いていて…。嗚呼…。溶けそう…。
でした。
鼻に水が入って、ツーーンとして、立ち上がると、子供の歓声が、ワーーーーッと聞こえて。
すぐ隣の少し上を、オレンジの電車が、ガーーーーッと通り過ぎる。
電車の窓から見えるこのプールを思い浮かべてみる。
たぶんびっくりするくらい夏っぽいんだろうと。
ふと、監視員と目が合う。
子供用のプールに身長180の三十路が立っている。水面は膝。たぶん怪しい。
また泳ぐ。。


俺の父親がこの辺りに小中学校くらいの頃住んでいた事があって、この市民プールはその頃からあったらしい。でも、少しはなれた所に、別の屋内プールができたので、このプールは、今年8月いっぱいで閉鎖。
屋内の近代的なプールと、この屋外の学校のプールみたいなプール。
全然違う種類のモノじゃない?
運動用と夏休み用。
(英語なら)スポーツとサマー。
そんくらい違うでしょ。
また、日本からひとつの風景が消えるんです。
便利になることで、微かな重要な何かが消えて行くんです。

2009-08-25 19:04

昼寝から目覚めると夕方になっている。
4時過ぎ。
今日は近所の市民プールが閉鎖になる日、4時半までだー!
カメラを持っては走って行くと。数十メートル先から子どもの歓声が聞こえて来て、少しほっとする。
入り口で「今日はもう終わり」と言われ
「今日、このプール最後ですよね。写真写しに入っていいですか?」と聞くと
「おー、撮って撮って、ほんま今日で終わりやから〜」
と、無料で入れてもらう。

プールの中はいつものように子どもで溢れていて、監視員の茶髪のにいちゃんねいちゃんもプールに飛び込んだり騒いでいる。
数枚写真を撮ってみるが、写真じゃない気もする。
蛍の光が定時に流れる。
みんな帰る様子はない。

監視員のひとりが拡声器で
「長い間ありがとうございました」
というと、少しずつ子どもたちが帰っていく。

オレンジの電車が横をガーーーーッと通り過ぎる。
人がまばらになったプールに、残念そうに数人子どもがプールに飛び込む。

2009-08-31 21:10
(大阪)