東京に向かって電車へ乗っている。
足が重い。
東京の美術館の巨大な空間に自分の作品を展示する仕事だから、僕が現場に行かないとかなり難しい仕事。
足が重いのは、緊張するのは、展示を作る前はいつものこと。

ただ今回、
自分に用意された空間は、27×16メートルで天井も相当高くて、これまでに体験したことのない空間だ。自分の作品はそこまででかくもないし、大胆なインスタレーションもしないので、一体どのようにこの巨大な空間と向き合い、納得いくものにできるか、不安しかない。でも、いつものこと。いつも搬入前は孤独だ。

さらに、
小さな島を離れてコロナの非常事態宣伝下の東京に10日も滞在しなくてはいけないストレスも重なる。本当に嫌だ。(美術館の側の宿に宿泊しそこの往復だけで基本済まそうと考えているが。)
今、直島で僕は、子育てや仕事や部活動など、日々のルーティーンがいい感じに回るようになってきたし、それをこの春からもっと加速させようとしている。この日常を加速させて、来年の芸術祭に日常感で挑もうと思っている。そんな時期に10日間もそのルーティーンを止めてしまうことへのストレスがあるのかもしれない。
だから、多分、僕は、今までになく、この小さな島に意識的に根を下ろそうとしている。ただ、島での妻の仕事や僕の仕事には近い将来終わりはあるし、ダラダラと長く住みたいとは思わないが。直島でのプロジェクトを、”置くタイプの作品”ではなく”根が生える作品”を目指そうとし始めたのかも。
だからこそ、東京へ行く足が重い。

すべてうまくいく。
すべてうまくいく。
重い足を前へ。
ただただ前を見て進めば良い。