新しい本

(執筆中)

2019年に東京都の賞を受賞したことを受けて、今、初めての僕自身の作品を集めたモノグラフを製作している。作品集であり、執筆者の文章や自らの考察も書き込まれ充実した内容。ただいま編集作業中。。。

内容は、デビュー作の「戦争のかたち」「torii」「津波石」という大きなテーマ設定を持つ”A面”だけではなく、「Re-Fort Project」「漂泊之碑」「新しい石器」というどちらかというと”B面”的な作品、あとは、最近作である直島の「瀬戸内「 」資料館」まで掲載されている。タイトルも「下道基行」。
豪華なゲスト執筆陣によって、自分のこれまでを俯瞰して語られると、なんか、もう死んだ作家の本を作っているようで、奇妙な気持ちになる。自分を歴史化するような本を作ることへの妙な居心地の悪さというか、こそばゆさというか、もちろん嬉しいし光栄なのだけど。ただ、この40前半で一回死んだ、と思うと、これまでの自分の枠をさらに越えて、もっと新しいことをしたくなってくる。これまで、後ろを見ずに歩んできたが、その歩みによってできた細い獣道を振り返るような行為。そういうのは自分ではまだやりたくなかったが、新しい船出のために、今までの港で過去を清算するのがこの本を製作する意味になっているのかもしれない。
ただ、これまで、作品や活動について誰も語ってくれなかった事をこの本にはもう自ら執筆しているし、今回は、執筆陣も深い部分を掘り起こしてくれていて、なんというか、2001-2021年の20年、表現活動を続けた一人の表現者の”物語”として面白く読めるはず。(すでに他人事のよう。。。)

実は、
この本、実は販売ができない。東京都で制作費を出しているので、それを僕の儲けにはできないし、さらにこの本はPDFとして誰でもダウンロードできる形態をとる。ただ、本は、デザイナーと共に作り上げる立体の表現物なので、PDFとは別の体験となるだろう。どう配ろうか考えていることろ。。。


これまでの僕の本、出版社michilaboratoryで出版した本の販売の仕方を書くと、

・「戦争のかたち」(2005年リトルモア)3000部(10年かかって完売。絶版)
・「日曜画家」(2010年、自費出版)100部(完売、デザインし直して再販し完売)
・「torii」(2013年michilaboratory)1000部(michilaboratory立ち上げ、6年で完売)
・「Dusk/Dawn」(2015年michilaboratory)800部
・「Bridge」(2017年michilaboratory&)5部(60メートルの本、5部、20万円、完売)
・「14歳と世界と境」(2019年michilaboratory&大館)300部(販売せず「旅する本」として様々な国で配付中)


このように、最初の本「戦争のかたち」だけ、出版社からの出版であり3000部という”普通”の出版ルートに乗せて作られたが、その後は、写真集やアート系の本が大手からは出版できない時代背景もあり、自費出版で出版形態や部数や価格も挑戦しながら、楽しみながら作ってきた。
そして、今回は、「販売できない」のが一つのミッションであり一つのテーマになった。

今、考えているのは、
①まず、あげたい人に配る
②次は、欲しい人を募集。住所を教えてもらい、送料のみを振り込み。そして、無料であげるかわりに、感想を僕、もしくはSNSにアップする。
②欲しい人に住所を教えてもらい送る。そして、送料まで無料にしているので、何かお金以外の物を送ってもらう。
③有料で上映会やトークなどのイベントを行い、そこで全員に配る。イベント参加者には無料で本を配布することは告知。
とかね。無料だからって、誰でも手に入るのでは、この本が勿体無い。興味のある人や、モチベーションのある人に届ける方法を考えたい。(以前のように「旅をする本」も良いが、僕の作品集というのは「旅をする本」とのマッチングが悪い。)

本は、作って終わりではなく、人に届ける方法や人が体験することを想像するのが楽しい。
今は、生みの苦しみの中にいるが。。。