展覧会準備

展示「次元の衝突点」 
 2021年1月9日ー2月7日
 The 5th Floor 東京

「Drawing the Lines(仮)」という新作の小さな品を出品。
新作というか再編集である。リモートでの搬入は初めてだった。
実は、とあるスペースで、国境など大きな境になっている様々な”水”を集めるプロジェクトをやっていて、毎年旅先から一つずつ集めて、数年かけて7個まで集まっていた。僕としてはこのプロジェクトを「境界のかけら」という同列の過去作の延長として、”水”だけに絞り込んで収集し、この空間/サイトのためのプロジェクト”コミッションワーク”だと位置付けていた。ただ、昨年、”これはこのスペースへのコミッションワークではない”という主張があって、困りこんでしまったが。考えた結果、それならそれに争わず、再編集して場所と切り離して普及盤的も作ってみようと実験していたのだ。
「Drawing the Lines(仮)」とはベタな名前であるが。でも、わかりやすいのは悪いことではない。見えないし流動性のある”水”によって人々は線を引きつずけ、隔てつずける。っていうね。「境界のかけら」の中から”水”だけを主人公に絞り、より鋭角にしようとしていたサイトスペシフィックな進行形の作品はプロセス段階で、この作品はこの場所に作られたものではない、とサイト側から切り離された形になり、おかげで逆に自由になった。


展示「境界のかたち 現代美術 in 大府」
 2021年1月23日ー2月14日
 おおぶ文化交流の杜、愛知

「境界のかたち」というグループ展に参加。
今回は、シリーズ「14歳と世界と境」の新聞掲載記事のアーカイブを見せる初めての展示のために準備をしてきた。このシリーズが2013年にスタートしたきっかけの地で出来るのは感慨深い。
愛知県大府市の図書館での展示の搬入のために島から現場まで車でダイレクトに行き、翌日プレスの対応をする。新聞社の協力があって出来上がったプロジェクトなので丁寧に対応した。プレスの方からの質問に答え終わり人がはけた頃、ある参加者が近づいてきて「新聞に中学生の連載をして、多分連載料ももらわず、どうやってお金を稼いでいるんですか?」と少し意地悪な表情で質問してきた。僕は「このプロジェクトは芸術祭の枠内で行うことが多く、それは中学校や新聞社の協力を得やすいというのもあるのですが、連載料はもらいませんが、芸術祭に参加することへの謝礼としてお金は入ってきているので…」と話すとそれを遮るように「でも、新聞で連載をしても…」と食い下がってきた。その方は連載をした新聞自体を展示することへ「これが美術作品なのですか?売れるんですか?」と聞きたいようだった。それについて答えようとした瞬間、後ろにいたもう一人の男性が「ちょっと失礼しますが。。私、愛知県美の館長で。今美術館では、新収蔵作品展が行われていて、これらの新聞もコレクションとして展示されています。」と…。プレスの方はそそくさと次の展示室へ。

展示「2020年度第4期コレクション展」 
 2021年1月15日〜4月11日
 愛知県美術館

ということで、「新収蔵作品展」に「14歳と世界と境」と「戦争のかたち」が出品されています。この2つのシリーズが、まとまった形で愛知に保存されること。とても嬉しい。両シリーズともに、しっかりとした写真作品である「torii」に比べて、図やら文章やら写真やらが組み合わさるプロジェクトベースの作品で、作った当時のまま倉庫に眠っているような状態だったので、それらをプロジェクト作品として編集し直しを昨年末より行っていてようやく形になった。新しく額装や小物の設えを一緒に考えてくれたミラクルファクトリーとなっちゃんに感謝。コレクションになると、僕の手を離れて展示されるので、なるべく”使いやすい”形を考える日々だった。色々な作品とともに新しい視点で発表されることを想像しながら。

昨年は春以降、移住先の直島以外で展示もなく、ただ準備を粛々と進めていた。こんなに展示を作らないのは10年ぶりくらいだろうか。今年1月からは準備していた作品が徐々に形になって旅立っていきます。これらは、新しく旅をして作った新作ではない。移動は制限されているし。ただ、これまで作り倉庫に眠っていたプロジェクトベースの作品をその作った場所などから切り離して別の場所でどのように見せることが可能かを考えて再編集している。コロナかで棚を作って整理をしていたりしている人が多かったが、そういう作業に近い。そういう中で、様々な事件なども起こりますが、その事件も好転させながら自分の力にして乗り越えていきたい。1月から始まった展示ラッシュ、4月まで続く。なんとか駆け抜け、終わった頃には体が軽くして、春の海で思いっきり遊びたい。
にしても、展示を見るもの、作るのも本当に楽しくてたまらん!
まだまだ気の抜けない日々を綱渡り。

4月以降は、予定はスカスカです。大丈夫か。。
いや、昨年から共働きなので、仕事が無いなら無いで子育てに専念!