瀬戸内「百年観光」資料館映画館

瀬戸内映画館03_2_w.jpgのサムネール画像

瀬戸内はこれまでたくさんの映画の舞台になっている。
(もっと過去を辿れば、詩や物語の舞台にもなってきた。)
それらは観光とも密接に結びついている。
瀬戸内の風景が登場する映画を上映する小さな島の映画館を作ってみた。
展覧会《瀬戸内「百年観光」資料館》の展示終了後に、空間を映画館へと変化させて。
壁の展示はそのままに。
《瀬戸内「百年観光」資料館》→《瀬戸内「百年観光」映画館》。

新型コロナウィルス流行によって、展覧会《瀬戸内「百年観光」資料館》は、展示期間の2ヶ月間、毎週土曜午後だけ無料で開けることになった。展示を開催することすら危なかったので、財団やスタッフの尽力に感謝するほかない。展覧会がオープンしてみると、客層は、普段より少ない観光客、ただ同じくらいの島民の来館があったのは嬉しかった。さらに、島民の方の様々な記憶と結びついて話の広がるイベントとなった。
当初、展覧会のイベントとして、様々なゲストを交えてのトークイベントを企画していたが、ウィルス流行もあって見直しを行った。その中で出てきたのが、トークイベント開催の予算(ゲストへの謝礼や交通費など)を映画上映に当てるアイデアだった。
島民限定イベントとして。島外には告知しないシークレットイベント。全てはウィルス拡大防止への考慮がまずあった。この上映企画は資料館が島民との距離を縮める目的と、ウィルス流行によって息苦しい毎日を送っていた島民の人々の一つの”楽しみ””息抜き”になれば、そして島民の方がこの資料館に関わる機会と考えた。

展示が終了した後。空間内の本棚を片付け、暗幕を張り、椅子を並べ、スクリーンを設置。映画のセッティングために、スタッフで『二十四の瞳』の頭の部分を流してみた時、60年以上前の瀬戸内の風景がそこに広がった。僕もスタッフもその場に立ち尽くし映画を見入ってしまった。そして「このイベントは面白くなるかもしれない」と思ったし、この展示の企画の延長線にある企画だと確信。

9月7日(月)13:30~ 「二十四の瞳」 監督:木下惠介 主演:高峰秀子 台風で9/21に
9月12日(土)13:30~ 「喜びも悲しみも幾歳月」 監督:木下惠介 主演:高峰秀子
9月14日(月)13:30~ 「釣りバカ日誌1」 監督:栗山富夫 主演:西田敏行
9月19日(土)13:30~ 「男はつらいよ 寅次郎の縁談」 監督:山田洋次 主演:渥美清

全4回の映画上映は全て満員状態。といっても、席の間隔を1メートル開けているので20人程度で満員なのだが。映画内の古い瀬戸内の風景をみんなでドライブしているかのような楽しい時間。会場には笑いが起こり、感動に浸り、なかなか良い機会となった。映画という大衆文化の強さを再確認。僕は、毎回、来客の「楽しかった」という言葉そして無事帰ってくのを見守り、なんだかライブハウスやシアターのスタッフになったような気持ちであった。(自分の作品を見せているわけではないシチュエーションは珍しいので。)4回上映が終わった後には「またやってほしい」という声も聞かれ、この資料館は映画館としてのもう一つの新しい顔も持ったわけだ。それがなんだか心地よい。(ちなみに、当初は屋外上映会を検討していましたが、映画を個人ではなく上映会で借りる場合、指定した時間と場所のみで上映可能で、雨で延期などになると、もう一度支払う必要が出てくるので、雨の多い時期ですし屋外上映会は泣く泣くやめた経緯があります。でも、資料館自体のの色々な可能性を見れたので良かったですね。)

古い映画なんてネットで見れるから意味ない、とか考えてしまうこともあったのですが。やはり良いですね。映画館。このイベントは、展覧会とセットで、トークイベントを行うように、続けていきたい。


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