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《瀬戸内「   」資料館》には、展示収蔵室と研究室の2部屋がある。

1年に1回この地域の調査を行い展示をして、そのほかにも寄贈したもらったものなどを空間内の棚/ラックに整理して入れていくのが展示収蔵室。展示ギャラリーであり見える収蔵庫。2013年にパチンコ屋をリノベして作られた《宮浦ギャラリー6区》という空間に展示収蔵室はある(本当は別の場所がよかったがここが空いていたので)。この展示収蔵室をメインにやりながら、移住してすぐに(地元の大人たちの)陶芸サークル「直島窯工研究会」を立ち上げたのをきっかけに、《宮浦ギャラリー6区》の裏に繋がって建っている焼肉屋へんこつ苑の廃墟を使うようになり、「カラミ造景研究会」「島の子供の研究室」「直島写真研究会」と研究会を増やしていき、2021年に能作さんのリノベで《へんこつ》として研究室となる。

地域を調査してアーカイブを作るのに、この研究会たちは必要なのか?と、主催する財団から質問されたのを覚えている。地元の人々に開いた研究室はある意味で、コミュニティ作りみたいな雰囲気なので展示と結びつかないのだろうから今でも、ワイワイと地元の人々と遊んでいるように見られているが。この大人や子供のサークルを(仕事の傍らで)運営していると、島の新鮮な情報がたくさん入ってくる。「あの空き家が壊されるよ」とか「直島式のお葬式をできる人がいなくなって困っている」とか。そういう、ハッシュダグ直島では検索できない情報が日々入ってくるのだ。そして、それを元に次の調査を始めることもある。で、その調査が展示になったら、それがアーカイブされる訳で。つまり、展示収蔵室を回す情報源や協働の源は研究室で作られていて、収蔵された地域の情報は地域に解放されているというサイクルを生み出している。

《瀬戸内「   」資料館》は、展示収蔵室という情報庫、そして研究室という検索エンジンを搭載したお手製の「グーグル直島」なのだ。

「直島写真研究会」忘年会

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