マジの愚痴

毎回新作で個展や企画展にどんどん参加する売れっ子の旧友Jと京都で夕食を食べながら。
毎回新作を作らないと展示には徐々に呼ばれなくなるのかなぁ。いやこれが先輩Aさんが言っていた「中堅の壁」なのかなぁ。と一人愚痴を飲み込む。(ここやラジオで吐き出すのだけれど。)

自分はこの6年ほど新作を作っていないような気がしていて、「だから、最近は彼のように新作を作るチャンスとして展示に呼ばれないのかな」などと、勝手にひねくれていたが(もちろん彼のコミュ力やセンスがずば抜けている)。
直島に帰ってきて、自分が6年ほど蓄積してきたアーカイブ空間を見ていたら、直島で1年に1回やっている調査発表展は、ある意味で毎回作家としての新作としてやってきたなぁと再確認して、腑に落ちる。(いや逆にここに全勢力を投入しすぎ?)

・・・・・・

毎回毎回、色々な別々の土地の美術館などに呼ばれて、その土地の歴史などをテーマ/ネタにして新作を作る、のではなく、直島という土地に定住し、資料館という自分の空間を持ち、アーカイブという目的を持って、毎年毎年、この土地で新作を作り、それが連載のように積み重なっていっている。そういう空間を自ら作っている。

これまでやってきた中では、《03 瀬戸内「鍰造景」資料館》(2021.8.14ー9.12)は、「戦争のかたち」レベルのシリーズ作品に近い出来栄えだったし、2024年の《06 瀬戸内「漂泊 家族」写真館》はシリーズ「沖縄硝子」的なことをこの島でやっている。それらは再び展示できるようにアーカイブに格納されていっている。直島の情報が短期の滞在制作とは違うので、スピードの遅い僕としては自分にとって良い方法をとっているのかもしれない。(しかし、直島も6年。浦島太郎になるのではないかという焦りもある。)

ま、自分で選んだことなのだ。自分で自分の場所を決めて、自分で運営し発表し、商品も生み出す。こういう制作方法で生き方なのだ。だから仕方ない。

(でも、直島の外で、結構良い個展が作れる準備は色々整っているんだけどなぁ。)

タイトルとURLをコピーしました